にのだん社会保険労務士事務所

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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和4年8月号(No.33)

【世界陸上を見ながら感じたこと】

 令和4年7月の約2週間、アメリカのオレゴン州で世界陸上(世界陸上競技選手権大会)が開催されていました。私は中学高校と6年間、陸上競技部であったため、毎回世界陸上をテレビで見るのが大好きで、かつては高校3年生の時に日本で初めて開催された東京大会やトラック種目の男子400メートルハードルで2度(2001年、2005年)、3位(銅メダル)を獲得した為末大選手や男子200メートルで2003年、3位(銅メダル)を獲得した末續慎吾選手、そしてオリンピックを含めて世界陸上でもメダルの獲得が何度かあった男子400メートルリレーなどが特に印象に残っています。

 陸上競技は世界大会になると日本と世界との差の大きさを常に感じてしまいます。体格の差が大きい要因かもしれませんが、そんな中で日本チームの歴史的な活躍の瞬間を生中継で見ることが出来たときは本当に感動します。しかし、残念ながらその熱い気持ちを中学生の息子に伝えても「あまり興味ない」と返事を返されショックを受けます。息子もソフトテニス部と駅伝部のキャプテンを掛け持ちしているにも関わらず、陸上競技をテレビで見るのは全く関心がないようです。

 そもそも日本では陸上競技自体が地味なスポーツに位置づけられているのかもしれません。そして私自身、好きな陸上競技をしょっちゅうテレビで見ているのかというと、世界陸上やオリンピックは一所懸命見ているのかもしれませんが、日本で行われる陸上競技大会の中継は必ずテレビで見ているわけではなく、私の中で気持ちがあまり盛り上がらないのです。ではなぜなのか?実際、陸上競技場で直接レースを見ると盛り上がるのですが、テレビに映る日本の陸上競技大会の光景はスタンドがガラガラ、中継はカメラワークの単調さと淡々とした実況など、息子だけではなく私もテレビの前ではつまらなさを感じていたのかもしれません。私が中学生の頃、ヨーロッパで行われていた世界陸上を初めて深夜のテレビで見たとき、満員の観客やスタンドと競技レーンとの距離の近さなど強烈な印象を感じました。ですから私個人の意見ですが、日本で開催する陸上競技大会は大きなスタンドでガラガラになるぐらいなら、地方の何処かでスタンドは小さくても満員の観客を集められる場所でぜひとも開催してほしいです。またテレビ中継はスタンドの上から撮影する単調な映像だけではなく、選手と同じ目線や地面から選手の映像を映すだけでもテレビで見る競技の臨場感は大きく変わるはずです。そしてそのような歓声と声援が溢れる中で、選手は想像以上の力や驚くような新記録を見せてくれるかもしれません。箱根駅伝やマラソンの中継実況で日本人が一喜一憂するように、日本の陸上競技がヨーロッパのような盛り上がりを見せて、2025年、再び東京で開催が決まった世界陸上が大成功することを陸上競技ファンとしてぜひとも祈りたいです。

【お客さんが集まる人気店から得ることのできる相乗効果】

 最近プロ野球では「きつねダンス」という日本ハムファイターズの応援で使われているダンスがSNSで拡散して大変人気になっています。そしてさらに、それにあやかりオリックスバファローズが期間限定で「たぬきダンス」を公開しました。誰が見ても明らかに便乗した戦略ですが、ニュースが拡散され相乗効果で野球人気に繋がるのならば大変良い試みであると感じます。それと関連してではないですが、今回は人気店に集まるお客さんから得ることのできる相乗効果について私なりの視点でお話します。

 とあるお店は今の季節に人気の出る「冷たい食べ物」を販売しています。こちらのお店は数年前にテレビで取り上げられてから評判を呼び、毎年暑い季節になるとたくさんのお客さんが行列で並んでいるのが道沿いからもよく見えます。当時この光景を初めて見たとき私が残念に思ったことがありました。それは周りのお店が冷ややかな様子で、その行列を見ているという印象でした。となりのお店には「無断駐車厳禁!」が貼りだされ、お客さんが多数集まってくることに迷惑しているような雰囲気を感じました。

 商売をしている以上、自分のお店と無関係の人たちに車を駐車されれば腹が立つ気持ちは理解できます。しかし、せっかく多くのお客さんが集まっている機会が生み出されているにも関わらず、ギスギスした雰囲気になることはとても残念であり、もったいない気持ちになりました。

 「商売」は「笑売」として笑顔が絶えない商いを続けることにより、活発な商いである「勝売」に繋がると私は感じます。前に私が仕事で知り合いになった他府県の方々に言われたことですが「和歌山という土地柄は、地元で商売が成功した人に対して排他的な感情が強くなり、優秀な経営者は和歌山を離れていく。だから近畿地方の中で一番和歌山が衰退している」という厳しい言葉でした。あくまで個人の意見であり、偏見かもしれませんが、となりで商売が成功し、お客さんが集まっている状態を単に恨むのではなく、何とか自分も便乗して商売を繁盛させたいと思う「商魂」が何より大事であると感じます。

 あくまでタラレバの話ですが、行列になっているお店のとなりで商売をしている人が「〇〇さんで商品購入する人、うちの駐車場に15分止めてくれてかまいません。でも帰りはうちの商品を必ず見ていってよ~」と張り紙を出すとか、冷たい食べ物で行列ができる店のとなりで熱々の食べ物を販売しているお店は屋台やテントを出して「冷たい食べ物のあとに、揚げたての唐揚げとポテトも一緒に買ってくれれば50円引きしますよ~」と明らかに便乗商売をする厚かましさがあって良いと思います。排他的になるのではなく、お客さんが集まってくることをチャンスに感じて図太く商売をする気持ちから相乗効果は生まれると感じます。

 私が現在、経営相談の仕事をさせて頂いている拠点の近くに大きな商店街があります。長年シャッターで閉まっている店舗のほうが明らかに多く大変残念に思います。しかし、最近では内装工事に入っているところも見受けられます。それを見るだけで私の心はウキウキします。新しいお店が商店街の起爆剤となり、笑いあふれるユーモアのある商売をするお店が相乗効果を狙ってたくさん登場することを願います。

~最後までお読みいただきありがとうございました~